なぜ、挑戦するのか?
( 「子どもたちへ届け with dreams 登山隊」発起人 内田清司)
もしも私たちが4000メートルの頂に立てたら、それは奇跡ともいえます。
それは、今まで誰もやったことのない挑戦であり、未来に希望をつなげること
だからです。 私は事故によって頸椎を損傷し、四肢に麻痺が残りました。
ペンを握ることができない私は、今、キーボードをゆっくりと叩きながらこの文章を
書いています。
事故に遭った当時、大学生だった私は充実した生活を送り、将来に大きな希望を
抱いていました。ですから不自由な体になって最初に感じたのは、人生に自由と
可能性がなくなってしまったという絶望感です。自分で排泄することもできない。
食べたいものに手が届かない。ましてや将来のことなんて、考えられませんでした。
ところで、日本には肢体障害者が約240万人いまして、これは国民の100人に1人以上の
割合になります。今、私たちが健常者と同じ生活を送ることは不可能かもしれませんが、
それでも小さな可能性はあると思うのです。その可能性は、社会が成熟することで
拓かれることもあるでしょうし、障害を持つ人々が自分でアクションを起こすことで、
実現できることもあると思うのです。
今回、一緒に頂上を目指す今日我君と知り合うきっかけになったのは、3年前のことです。
筋ジストロフィーという難病に侵され、自力で歩くことができなくなっていた
13歳の彼から「クラスメイトと共に学校登山に行きたい」と相談がありました。
正直、たいへんなことだと思いました。山で荷物を運ぶプロでさえ、
60Kgの不安定な人間を背負って登るのは難しいからです。
登頂させるにはヘリコプターなどを使う方法が賢明のように思えました。
実際には、今回一緒に山頂を目指すメンバーをはじめ多くの支援者とクラスメイトの
協力で、彼を背負いながら登頂することができました。
この経験で、希望というものを知った、と今日我君は言います。
私ごとですが、一昨年、双子の息子が生まれました。
今、育児に四苦八苦しているところです。彼らは私に、父親としての喜びを与えて
くれています。私には、この子たちが転んだときに起こしてあげる力がありません。
ですが、生きることの素晴らしさや美しさを、教えてあげることは、できそうな気がします。
私には夢があります。
それは、障害を持つ人と持たない人が、希望を分かちあい、
互いが互いを必要とするような豊かな関係を実現することです。
たくさんの仲間たちが、この思いを分かち合い、力を合わせようとしています。
私たちの挑戦をご支援くださいますよう、なにとぞ、よろしくお願い申しあげます。
「子どもたちへ届け with dreams 登山隊」発起人
内田清司 |