隊長あいさつ
アルピニスト 野口 健

内田さんからお手紙を頂いたのは昨年の初夏。お手紙を読んでいるうちに
ジーンと胸が熱くなりました。ご本人にお会いする前から
「よし!ヨーロッパアルプスに一緒に登ろう!」
と気合が入っていました。
何故なら、いままで障害者の施設などで講演会などをやらせて頂き、
私なりに障害者の方々と接してきましたが、いつも感じていたのが
障害という現実を重たく背負っているということ。
エベレストに7年間通っていました。色々な登山家と出会ってきました。
あるときには同年代のアメリカ人登山家。彼は肺がんの患者で、
片肺を切除していたにも関わらず最後まで諦めず見事に登頂した。
7300m地点の氷壁を登っているとき彼と一緒になり、ただでさえ酸素が薄い上、
片肺の彼は苦しそうでしたが、それでも「ガンに侵されていてもチャレンジできることを
証明したい。特に小児ガンの子供たちに夢を持つことの素晴らしさを伝えたい」と
目をキラキラさせながら話していた。
しかし正直片肺では難しいだろうなぁ〜とも思っていたが、
彼の登頂のニュースをベースキャンプで聞いたときにはみなで飛び上がって喜んだ。
彼の名刺には「ガン患者登山家」と書かれてありこれまた驚いた。
ガンに侵されながらも、彼はいつでも前向きだ。
そして彼らを支える団体がアメリカにはあった。「がん患者山岳会」ですが、
患者が集まり情報提供したり、みんなで冒険活動したり、そして彼らを支えるスタッフ。
素晴らしいと思った。また義足の登山家もエベレストに登頂したこともある。
障害を抱えていてもちゃんと準備し、トレーニングを積み重ねればエベレストにも
登れるんだと、彼らから教わった。
内田さんから「ヨーロッパアルプスに登りたい」と相談をいただいた時は
エベレストでの出来事を1つ1つ思い出しながら日本でも障害者の方々がチャレンジ
できるような環境を作るべきだと、喜んでこのプロジェクトに参加させていただきます。
そしてこのプロジェクトをきっかけに障害者の方々が次に続けと、各分野で活躍して
くださることを願っています。
内田さん、井出君と一緒にブライトホルンの山頂目指して頑張ります。
隊長 野口健
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